没頭すること

一つのことに没頭することの楽しさを再発見している。子供のころはピアノとか、好きなゲームとか、寝ても覚めてもそのことばかり考えている状況、というのはそんなに珍しいことではなかった。しかし大人になり、興味を惹かれるものが増え、そして気にすべきことも増え、という状況の中で、一つのことに長時間没頭する機会が減った。また一つのことに没頭することが、時には社会性を持つこと（いろいろな物事への気を配ること）と相反する場合も多くなり、いつしか没頭することすら珍しい生活に慣れてしまった自分がいた。しかし今はサウジアラビア在住である。いわゆる娯楽も多くはない、友達もいない、仕事・食事・ジム・勉強・睡眠を規則正しく繰り返す中で、一つのことに没頭する集中力を頭だけではなく体が思い出してきているようだ。これがとても心地よいのだ。もっと、もっと深く、もっと周りが見えなくなるくらい没頭したい。何かと真剣に向き合うということは、とりもなおさず自分自身と深く向き合うことに通じていくのである。